「イヤです」

部室に入ってきた歩に対してまず一言のひよの。

ちなみに彼は別に何も言っていない。



「は?」
「イヤですよ」
「何が」
「鳴海さんの全ての行動に対してです」



彼女はどうやら自分に対して怒っているらしい。

そう思った歩は何となく理由が判った。



「あー・・・この前のか?」



この前のとは歩がひよのの背中に付けたあの事件(?)。(お題4参照)

一応やりすぎたとは思っていたらしい。彼も。



「別に、それだけだったらまだ良かったんです・・・しかし!!」
「しかし?」



隣に座った歩を見て一言。




「それを見ていた人がいたかもしれないんですよ!!!」





























誰も見てなきゃいいんだろ?





























「あのとき、扉が少しだけ開いてたんですよ!!」


ひよのが少し涙目で訴えた。

歩はいつもと変わらずの表情で話を一応聞いてあげるコトに。




「何で判るんだよ」
「あのとき、私は途中で扉が開いていたコトに気付きました!」
「・・・で?」
「で、勿論私は閉めようと思いました・・・・・が!!」





「あなたが邪魔したんですよ!!!鳴海さん!!」





本当に涙目のひよの。

歩もとりあえず何か言った。後が煩いコトを判っていたから。




「・・いつの話だよ」
「私が"待って下さい!!"って何回も言ってたときですよ!」
「あー・・・やたら抵抗するなと思った記憶があるような無いような・・」
「・・・やめてくれませんでしたよね?あなたは」
「・・・悪いな、やめれなかった」
「〜っ!!!もう!!どうするんですか!これから!!」
「あんただって必死に机にしがみ付いてだろ」
「もう!!誰か見てたら何て説明すればいいんですかって言ってるんですよ!!!」




確かに誰かが見ていれば大変なコトになるだろう。

でも、ただそれは"誰かが見ていれば"の話。




「・・じゃあ聞くがあんた今日何か言われたか?」
「へ?何かって・・?」
「ココでやってたコトを誰かに何か言われたかって聞いているんだ」
「べ、別に何も言われてませんケド?」
「じゃあ誰も見なかったってコトでいいだろ」
「で、でも・・・」
「いいだろそれで。・・あんまり煩いと口塞ぐからな」




その言葉でひよのはすぐに黙った。

歩としてはこの反応は少しつまらない。




「・・まぁ、別に俺は見られていようとなかろうと関係無いし」
「な!見られたら恥ずかしいじゃないですか!!」
「何で」
「な、何でって・・・」




ちなみに彼、鳴海歩は結崎ひよののこんな顔を見るのが趣味。

こんな顔と言うのは主に困ったときや恥ずかしがっているときなど

とにかく本人にとってはあまり見られたくない顔。

明らかなサド体質であるが、その自覚があるのかどうかは本人のみぞ知る。




「と、とにかくですね!人に見られるような状況の中でそんなコトは絶対にイヤですからね!」
「つまり・・・」
「ぇ・・・ちょ、ちょっと!!!」





いきなりスゴイ力で腕を引っ張られ、さっきまで座っていたイスが

倒れた音がしたときにはすでにひよのの後ろは壁だった。





「痛っ・・・な、何するんですか!?」
「誰も見てなきゃいいんだろ?何しようと」
「!?今日は絶対ダメですよ!」
「いつも"今日は"と言っているが一体いつになったらいいんだ?」
「そ、それは言えませんケド・・・でも!」




ひよのがねばる。歩に負けないように。




「・・この間あれだけさせてあげたんですからいいでしょう!!」
「俺は何をさせてもらったか全く覚えが無いんだが」
「わ、私の背中に・・・」
「背中に?」




口で言うのはカナリ恥ずかしくて抵抗がある。

それを知ってか彼は判らないふりをして彼女に問う。と言うか追い詰める。




「〜っ!!!!」
「あれぐらいじゃ足りないコトぐらい判れよ」
「・・・・・・・・・」




急に下を向き、黙り込んだひよの。

歩も不思議に思い、呼びかける。




「・・・おい?」





その瞬間、ひよのが突然上を向き、

歩の唇に軽く当たるだけの口付けをした。


そして歩が一瞬驚いたその瞬間を狙い、扉へ走った。




「さ、さよなら!」




ひよのは部室を走って去っていった。

彼女は何とか絶体絶命のあの状況から抜け出すコトに成功したのである。


そして一人残された歩はと言うと・・・




「・・・煽るだけ煽っといて逃げるな、馬鹿」




珍しく、彼女の勝ち逃げの結果で終わった。

・・・次の日がどうなるかは別として。



つづく。


あとがき。2004.12.02 ひよのが勝ちましたー!何か嬉しい。だって歩が黒すぎるんだもん。最近。 たまにはひよのが優勢な話も書きたいじゃないですか。 ・・次の日の2人がどうなったかはご想像にお任せすると言うコトで!! *お手数ですがメニューからお戻り下さい。