今日は学校がお休み。学生の休日。火澄もドコかへ行ってしまった。 別に何をするとかは決まっていなかったが面倒なコトは誰でも起こって欲しくない。 でも、そんなときに起こるのが面倒なコトであって。 ピーンポーン ソレを告げるチャイム。 そうだと初めから判っていれば開けたりはしなかった。 でもそんなコトをその時点で判っているワケが無い。 だから開けた。歩は自宅のドアを。 ガチャ そしてそこで出た言葉はコレ。 「・・・は?」 今度は一人でおいで。 台所で料理をしている歩。 それ自体はいつもと変わらない。だが、 理由が全く違う。 「鳴海さん手止めちゃダメですよ!皆さん待っていらっしゃるんですから」 「・・・なぁ、」 「何ですか?手短にお願いしますね」 そうやって歩を焦らせる人物はひよの。 さっきのチャイムは彼女だった。 しかし彼女1人では無かった。 「そういえば鳴海弟の家に俺初めて来たのか」 「確かにそうだよね〜」 浅月と理緒。 その2人も歩の家に来ていた。そして今はリビングにくつろいでいると言う状況。 そして歩はこうひよのに問いかけたのであった。 「・・何で俺があんたとあの2人に昼飯を作ってやる状況に陥っているんだ」 「"俺が"だけじゃ無いじゃないですか。ちゃんと私も一緒に作っているでしょう?」 「じゃあ質問を少し変えるが何で俺の家で昼飯を食うコトになったんだ」 「えーっと、私が1人でこの近くのスーパーに買い物に行きました。 するとそこには理緒さんと浅月さんと亮子さんがいらっしゃってました。 "じゃあ鳴海さんの家が近くにあるコトだし、お昼ご飯を一緒に食べましょう!!" と、言うコトになったんです。ぁ、亮子さんは用事があったんで先に帰っちゃいましたケド」 理由になっていない説明をしたひよの。 もう何を訊いても無駄だと彼は理解していたので何もそれ以上訊かなかった。 「・・納得はいかないがな」 「んー?何か言いましたか鳴海さん」 「別に」 「なら早く作らないと。皆さんおなか空いちゃいましたよ〜」 「あんただけだろ」 「そんなコトないですよ〜」 「そんなコトある」 するとひよのがわざわざかがんで下から歩の顔をじーっと見た。 鍋をかき混ぜていた歩もそんな彼女に反応を一応示した。 「・・何だよ」 「突然押しかけちゃったんで鳴海さん怒ってるのかなぁーっと思って。 表情から察してみようと努力してます」 「怒ってたらどうするんだ?」 「んー、どうしましょうかね〜。・・"頑張って下さい"と言うしかないでしょ」 「・・今のあんたに言われたら余計腹立つな。ソレ」 「じゃあ言わないでおきますね」 「あぁ」 黙って料理を作るのを実行し続ける2人。 そしてそんな2人の後ろから見守っていた(守ってはいないケド)また別の2人もいた。 小声で彼らはこんなコトを言っていた。 「弟さん、別に手ばっか出してないように見えるケドなぁ〜」 「甘いぜ理緒!アイツは清隆並に性悪だぜ。オレは知っている」 「・・清隆様って性格悪いかな〜」 「悪いだろ。だいたいあの2人の配置もヤツのシナリオかもしれないんだぜ?」 2人の配置。 世間で言う"恋人同士"。 それすら清隆は計算通りなのかもしれないと浅月は言ったのだった。 「・・もし、そうだとしてもあの2人・・・」 理緒が目を細めて"あの2人"を見た。 そこに映った2人は、 これからの未来を知っているのかどうかは判らないが 今はとりあえず幸せそうだった。理緒が見た限り。 「・・大丈夫だよ。絶対」 「・・・まぁな」 何かにふけっていた2人が視界に入ったひよのが こちらを向いてニコっと微笑んだ。 「ご飯出来ましたよ〜♪」 「いかにもあんたが作ったように言うな」 「む。ちゃんと手伝ったじゃないですかー」 「あんた味見ぐらいしかしてなかっただろ・・」 「失礼ですねー!!ちゃんと野菜の皮むきしたじゃないですか!」 「どうでもいいから早くあっちに持って行け」 「ぁ、スイマセン浅月さん理緒さん!」 そして急いで出来たモノをリビングにひよのは持って行った。 その後はいつも通りと言っていいのかは判らないが 4人でそれなりに盛り上がった。 別に歩もイヤだとか何も思わずにその場になじんでしまっていた。 ―――――――色々と話していたらいつの間にか夕方になっていた。 浅月と理緒が片付けるのを手伝おうとしたが ひよのは"2人で何とかしますんで安心して帰って下さい"と言った。 別にひよのは2人に居て欲しくないとかそういう意味では無く気遣いでそう言った。 それを理解した上で遠慮して手伝おうとしたが とあるコトに理緒が気付いた。コレがその会話。小声の。 「香介君!よく考えたら私達この2人の邪魔になっちゃうんじゃないかな?」 「何でだよ?俺らは手伝うんだろ?」 「もうっ!香介君の馬鹿!!とにかく私達は早く帰った方がいいの!! 帰ろ!香介君の大事な亮子ちゃんも待ってるでしょ!」 「・・・何か意味深だな」 「変なトコロで気にしない!あいさつして帰ろ!」 そして理緒が台所に向かい、片付けし始めていたひよのと歩に言った。 「弟さん!ひよのさん!今日はありがとうございました。 ではお言葉に甘えさして帰らせてもらいますね。香介君も」 「はい、いつでも来て下さいね」 「あんたの家じゃないだろうが・・」 「鳴海さんは細かいコトを気にしすぎなんです!ウザいですよ!」 「や、全然細かくないだろ。今のは」 「くす・・2人とも仲良くしなきゃダメですよ。これからも」 「え?」 「・・・?」 「では、これで本当に失礼させていただきますね!さようなら!」 そして理緒と浅月は帰って行った。浅月は理緒に引っ張られつつと言うカンジだったが。 台所に2人。歩は食器洗い、ひよのはソレを拭くという役割だった。 「・・ねぇ、鳴海さん」 「何だ?」 「その・・やっぱり今日のコト怒ってます?まだ」 「・・・別に」 ガラにも無く居心地が良いと思えてしまった自分がいたから。 別に、怒ってなどいない。 「本当ですか!?良かったぁ〜。鳴海さんって静かに怒るから怖いんですよね〜」 「あんたはいつも煩く怒ってるからちっとも怖くないな」 「それって褒め言葉なんですか?」 「そう取っておけば色々と都合が良いんじゃないか?」 「そうですか」 せっせと洗われた食器を歩の横に立って拭くひよの。 何となく、愛しかったから言ってやった。 「・・でも、」 「ん?何ですか?」 「・・・今度は一人で来いよ」 「え〜?どうしましょうかねぇー、前科が有りますしね〜」(お題16参照) 「あの後結局あんた帰っただろ」 「当たり前じゃないですか!ぇ、もしかして泊まりで来いと言うんですか!?1人で!?」 「・・さぁ?」 「んー・・泊まりは無理ですケド、じゃあ気が向いたら行きますよ」 「曖昧だな」 「あなたの答えの方がいつも曖昧ですよ。人のコトなんかちっとも言えません」 「そうか?」 「そうですよ」 「・・自分のコトなんて自分では全く判らないものだな」 「じゃあ誰のなら判るんですか?」 その言葉で歩がじーっとひよのを見た。 しかしすぐに視線をそらして一言。 「・・・さぁ?」 「ほら、やっぱり曖昧ですよ」 「俺にもよく判らないんだから仕方ないだろ」 「バカですね〜」 「あんたには言われたくないな」 やっぱり面倒なコトが起こった日だった。 でも意外と楽しかったと歩が思えたのは誰も知らない。歩も。 つづく。
あとがき。2005.01.01 お〜穏やかだぁー。こんなのに最近ハマってるかもしれない!ビバ日常みたいな! まぁ、歩さんも何気にひよのさん誘っちゃってますが。 手を全く出さなかったコトは珍しいんじゃないでしょうか!?健全〜。 や、もともとココは健全サイトだけどね。歩さんの性格が健全(?)なんですよ! *お手数ですがメニューからお戻り下さい。