最近はよく火澄もこの部室に来るようになった。 「お下げさんの入れたお茶上手いわ〜」 「そうですか?ありがとうございます〜」 ニコニコと笑っている2人は仲が良くて。 コレは決して歩にとって面白くない状況。 「・・おい、火澄」 「何や、歩。俺は今お下げさんとお茶飲んで仲良く話しとるんや」 「そうですよ〜。邪魔しないで下さい!」 「・・・・・・・」 ひよのも火澄に加勢する。 何故なら前回のコト(お題12参照)でまだ歩に怒っていたから。 「・・・何でお前がココにいるんだ?」 「うわ!今さらやけどやっぱ歩はヒドイなぁ〜。俺悲しいわ・・しくしく」 「やめて下さいよ鳴海さん!火澄さん泣いちゃってるじゃないですか!」 よしよしと隣に座っている火澄の頭を撫でるひよの。 「や、明らかに嘘泣きだろ・・」 「お下げさん慰めついでに俺の言うコト1つ聞いてくれんかなぁ・・?」 「いいですよ?何でも言って下さい!」 「じゃあ・・歩がいつもしてるみたいに俺にもチューさせくれやん?」 「へ・・?」 かぁーっと顔が赤くなるひよの。 そんなひよのに火澄が顔を近づけていく。 しかしその先を歩が許すワケも無く、 がたっ!! 「ふざけんなよこのエロガキが・・!!」 火澄の胸元をつかんだ。 しかし火澄は慌てずいつものニコニコ顔。 「もう冗談やってー。そんな恐い顔すんなや歩〜。しかも歩と俺同い年なんやけど?」 「冗談でもそんなコトするな!判ったか!?」 「ええやん。歩みたいに無理やりじゃないんやで。な、お下げさん」 「ぇ!?ぁ、はぁ・・」 いきなり話を振られて曖昧な返事をするひよの。 そしてその後の一言。 「と言うか・・エロガキって人のコト言えませんよね。鳴海さん」 「・・・・・・・・」 歩はただ黙って火澄を放すしかなかった。 名残惜しいな。 「そうそう、お下げさん。コイツ昨日もお下げさんに対して酷いコト言っとったんやで〜」 火澄はひよのに出してもらったお茶を飲みながら話し始めた。 「む。鳴海さんったら本人がいないトコロでも私を侮辱していたんですか〜?」 「知るか」 そう言いながら近くにあったお茶を手に取り、飲もうとする歩。 しかし、 がしっ 「・・おい」 「コレは私のお茶です。鳴海さんは自分でお茶を入れて下さいね♪」 「・・・・・・・・」 ひよのがお茶を取り上げた。歩は黙るしかない。 そんな光景を火澄はくすくすと笑いながら見ていた。 「日頃の行いが悪いからこうなるんやで〜?歩〜」 「煩い。黙れ」 「そしてこの悪魔は私のコトを何て言ったんです?」 「と言うか俺は何か言った覚えは全く無いんだが・・」 「・・お前、だから酷いって言われるんやで。ええか、お下げさん昨日な・・」 ――――――昨日の夕食のとき 2人で歩の手料理を食べていたときの会話。 「なぁなぁ歩〜」 「何だ」 「歩はお下げさんのどういう部分がスキなん〜?」 「・・何でお前にそんなコトを言わなくちゃいけないんだ?」 「だって俺はお下げさんのお友達やから色々とお助けしやなあかんねん。 だからそれぐらいは知っといた方がええやろ?」 「・・・と言うかお前はいつの間にあいつと友達になったんだ」 「友達やない!"お友達"や!"お"を付けなあかんやろ!"お"を!」 「果てしなくどうでもいいな」 「なぁー、言うてや〜。ちゃんと部屋の掃除しとくから〜」 「・・・・・・・」 火澄はどうしても聞きたいらしい。 歩もいつに折れた。 そしてため息を付きながらこう言った。 「・・泣き顔と喘ぎ声」 ―――――――そして火澄の話はココで終わった。 そしてひよのの反応はと言うと・・・ 「・・最低」 ひよのはじと目で歩を見てそう言った。 しかし歩はよく意味が判らないと言うカンジで火澄に尋ねた。 「何でコイツは怒ってるんだ?」 「・・お前、根っからのサド体質やな。知っとったケド」 「サド!悪魔!キス魔!あなたなんて地獄に落ちた方が世の人のためなんです!!!」 「・・おい、そこまで言われたらさすがに怒るぞ」 「だって鳴海さんがそう言われるようなコトを言うから悪いんでしょう!!」 「だからあんたは何で怒ってんだよ!!」 「まぁまぁお下げさんも歩も落ち着いて!なっ?」 "言わない方が良かった"と今さら後悔している火澄は何とか2人を落ち着かせようとした。 その途中で歩が火澄にこう言った。 「・・火澄、席を外してくれ」 「!?イヤですよ!火澄さん帰らないで下さい!!」 ひよのが火澄にしがみ付くようにお願いする。 「・・って言ってもなぁ、お下げさん」 ちらっと火澄は歩を見たが、 やっぱりそんなコトは無理な話で。 「・・ごめんな、お下げさん。俺も歩は恐いんや。じゃあ、ちゃんと仲直りせいよ!2人とも」 「ぇ、ちょ・・!」 ぱたんっ ・・・・・残された2人。 とりあえずひよのはこの状況から抜け出したいためにこう言った。 「わ、私も帰ります!さよなら!」 ひよのが荷物を持って扉に駆けつける。 でも、やっぱり遮られた。彼が彼女を後ろから捕らえながら鍵を閉めてしまったから。 「!?やめて下さいよ!私は帰るんです!!帰りたいんです!!!」 「そうか。それは名残惜しいな」 「こ、心にも無いコトを言わないで下さい!! どうせ私のコトなんてからかう対象にしか思ってないくせに!放して下さい!」 耳元で囁いてくる歩の顔を見ずにひよのはそう言った。 そして、同時に少しだけ泣いていた。 彼にもそれが判った。 「・・だから泣くなって」 「な、泣き顔がスキなんでしょ!?だったらあなたの希望じゃないですか! 何でそんなコト言うんです!!何で・・」 「そんなズルいコト言うんです・・・!!」 ひよのは泣き崩れそうになっていたが歩が支えていたため、 そうはならなかった。が、そのかわりに泣き顔を歩に見られてしまった。 無理やりに顔を彼の方に向けさせられてしまった。 「・・前にも言ったろ。"あんたが悲しくて泣いてる顔見るのイヤ"だって」(お題12参照) 「・・・・・・・・」 「それにあんたのコト、俺はちゃんとスキだけど?全部」 「なっ!!!そ、そんな恥ずかしいコト言わないで下さいよ!!いきなり!」 「でもそれと同時に嬉しそうだ」 「〜っ!!だから何でそんなズルいコト言うんですか!」 「そんなの、」 「俺があんたのコトをスキだからに決まってんだろ」 当然のように歩はひよのにそう言った。 ひよのもかぁーっと赤くなりながら歩に言った。 「・・やっぱり、あなたは最低な人ですね。・・・でも、」 「私も、あなたのコトが、・・・どうせスキですよ!!馬鹿!!!」 結局最後はちゃんと彼のもとに戻ってしまうひよのであった。 これからも多分こんなカンジの出来事を2人は繰り返していくのだろう。 ・・・・やれやれ。 つづく。
あとがき。2004.12.20 「や、お前の頭の方がやれやれだから」とかそんなツッコミはしないで下さい! 何か黒いケド甘すぎたかなぁ〜歩さん。ちょっと気持ち悪いよ(←酷) 火澄さんも出番多いねぇ〜何気に。ひよのさんのお友達だから。 *お手数ですがメニューからお戻り下さい。