「やっぱ小さい子って可愛いですよね〜vv」


とある写真を机の上に置きながらひよのはそう言った。

その写真には歩の見慣れない小さな子供が写っていた。




「・・コレってあんたが誘拐した子供か?」
「んなワケ無いじゃないですか!!!私のイトコですよ!!本当に失礼な人ですね!」
「だってあんただったら有り得るだろ」
「有り得ません!鳴海さんもこのころは可愛かったんでしょうに・・こんな人になってしまって・・」
「あんたも人のコト言えない位十分失礼だと思うぞ」
「鳴海さんだって将来自分の子供を虐待しそうなタイプですよ」
「子供に満足に飯を食わしてやれなさそうなヤツが言えるセリフじゃないな」
「・・・・・・・・」




そこでひよのは少し気になったコトが有った。




「そういえば鳴海さんって子供嫌いなんですか?」
「何でそう思うんだよ」
「や、だって男の人って自分に子供が出来るまではたいてい子供嫌いじゃないですか。
 まぁ、出来てもキライな人はキライでしょうケド・・」
「・・別に、普通」
「まぁ、鳴海さんが子供好きでも気色悪いですケドね」
「あぁそうかよ」
「でも、自分に子供が出来たらスキになるかもしれませんよ?」
「・・・そういうもんか?」
「そういうもんですよ」



歩はあまり両親との思い出が無いため、

そうとは思いにくかった。




「・・・ふぅん。あんたはスキなのか?」
「スキですよ〜vvだって可愛いじゃないですか!」
「子供欲しいか?」
「欲しいですね!」
「じゃあ今から料理の練習でもしとけ」
「え?何でですか?」
「料理ぐらい母親になるんだったら出来なきゃダメだろ」
「それなら心配無いじゃないですか」
「何でだよ」
「だって、料理なんて――――」





























泣くのはオレの前だけにしとけよ。





























「鳴海さんが作ればいいじゃないですか」



けろっと当然のように言うひよの。


隣に座っていた歩は少し間を置いてから口を開いた。




「・・・何で俺が作るんだよ」
「私が作ったより鳴海さんの料理の方が美味しいじゃないですか」
「や、そうじゃくてだな・・」
「もしかして鳴海さん子供欲しくないんですか・・!?」
「だから言いたいトコロはそこじゃなくてだな、」
「なら今から子供好きになっておかなければいけませんね!」
「俺の話をちゃんと聞け!」



歩のその言葉でやっとひよのが話すのをやめた。

よほど子供が好きと見える。



「何ですかー?」
「あのな、何であんたの子供が俺の子供になってんだよ」
「・・え?どういう意味ですか?」



ひよのは歩の言いたいコトが本当によく判らないらしい。


歩もそんなひよのを見てもう諦めた。

何を言っても無駄だと理解したから。




「・・もういい。判った」
「何がです?」
「もういいって」
「気になりますよ!言って下さい!ちゃんと理解するように頑張りますから!」
「や、別に頑張らなくても理解出来るぞ。フツウ」
「さぁ!早く鳴海さんが言いたいコトを言って下さい!!」




ひよのが真剣な顔で歩を見る。


・・・だからそんなマジな顔で見るなよ・・とか思いつつ歩は言った。






「・・・何で俺とあんたが結婚するコトが決まってんだよ」






コレが歩が最初から言いたかった言葉。

やっと言えた・・とも思えた。


しかし、歩が次にひよのの顔を見たときには何故か彼女は悲しそうな顔をしていた。




「ぇ・・・?何でって・・だって・・・」
「・・・・・・・・・・」




自惚れて考えてしまってもいいのだろうかと思う。

彼女は自分と結婚するのを当たり前のように言うから。


しかしひよのが言った言葉はコレだった。




「だってどうせ結婚する前に子供が出来ちゃうじゃないですか」
「・・・は?」
「そしたら結婚しなくちゃいけないじゃないですか」
「・・それはつまり俗に言う・・・」
「できちゃった結婚ですね。普段の鳴海さん見てればそうなる可能性は十分高いと思いますよ?」
「・・・・・・・・」




何かとても失礼なコトを言われているコトには変わらないのだが

彼女が自分と将来結婚を考えているコトは確かであって。


・・・そのコトには一応、喜んでおこうかなどと考えた歩。



「・・・子供、か」
「・・鳴海さんは欲しくないんですか?」



ひよのは悲しそうに歩に訊く。

そんな彼女を見て苦笑しながら歩は答えた。




「・・欲しいかもな」
「本当ですか!?良かったぁ〜、どうしようかと思いましたよー・・」




そう言いながらひよのの目は少しにじんでいた。




「・・・泣くほど嬉しいコトかよ」
「ぇ!?私泣いてますか!?」




ビックリしながらそう言うひよの。

泣いている本人は自覚が無いらしい。


そんな仕草もやっぱり、苦笑してしまう。




「・・おい」
「何ですか・・?」




そんな風に彼女が少しの涙を拭っていたら

彼はやっぱり抱きしめたくなるワケで。


実際に抱きしめていた。




「鳴海さん・・?」
「・・そんな風に泣くのは俺の前だけにしとけよ」
「・・ぇ?何でですか?」
「あんたの子供が俺の子供じゃなくなって、
 あんたがそうやって泣いたときに目の前にいたヤツの子供になりそうだから」
「・・?・・・・・・・え!?えぇえぇ!?」




少し考えてやっと意味が判ったらしくて。

頭が悪いと言うより鈍いだけなのかもしれない。



「実際に俺、そーゆーあんた見て子供欲しくなったワケだし?」
「ちょ、ぇ、そんなそんな・・!!!そーゆー意味で子供欲しいんですか!?」
「・・作ってやろうか、今すぐ」
「はぁ!?ちょ、ちょっと何1人で勝手に決めちゃってるんですか!!!」
「勝手じゃないだろ。あんた欲しいって言ったし。すでに同意してる」
「今はいりませんよ!今は!そんなの少し考えれば判るでしょう!!!」
「俺は少しも考えてないから判らない」
「へりくつ言わないでください!とにかく、今はダメですよ!判りましたか!?」



何とか彼を止めるコトが出来そうな彼女。

最初から彼も今すぐに子供を作ろうなんて本気では思っていないから出来たワケだけど。


ただ彼女の反応が見たいから言ってみただけ。

子供が将来欲しくなったのは本当だけど。



「・・今はダメっていつだったらいいんだよ」
「そりゃ、私も鳴海さんも大人になって、
 それでも2人でいたとしたならば結婚して。・・それからですよ」
「あんたさっきは結婚する前に子供作るって言ってなかったか?」
「私はなるべく結婚してから子供を作りたいんですよ!
 でも、鳴海さんが今からこんなんじゃ無理な話じゃないですか!!だからそう言ったんですよ!」



またしてもカナリ失礼な発言。

事実だから仕方が無いと言えば仕方が無い。



「じゃあ、何で結婚してからがいいんだ?」
「だって、"子供が出来たから結婚する"って仕方が無いから結婚するってカンジでしょ?
 ・・・何かイヤじゃないですか?」
「・・別に」
「まぁ、鳴海さんに言っても仕方が無いですね。今から子供作りたいなんて言っている人ですし」
「あんた本当に失礼だな」
「あなたがそうさせてるんですよ?鳴海さん」
「やっぱ子供は今から作るか」
「だ、ダメですってば!!!と言うかそろそろ放して下さいよ!!」
「無理」
「無理じゃないですよ!!バカ!!!」




また彼が彼女の反応を見て楽しみ始める。


別に子供が出来ようと出来なかろうとこの2人が結ばれるコトが

彼には判っていたから。そう確信してたから。


迫り来る未来を。


つづく。


あとがき。2004.12.15 子供ネタ。子供ネタは結構スキ。また書くかも。 それにしたも歩さんったらひよのさん抱きしめすぎですよ? ・・・そろそろお触り禁止ネタやってみよっか?(笑) *お手数ですがメニューからお戻り下さい。