「鳴海さんは言葉が不足しているんですよね」
「頭良さそうに見えて実はバカなんじゃねぇのか?アイツ」
「それがテストでは良くも悪くも無いフツウの点数ばかり取っているんですよ」
「ぁ、それとも小さいころに友達が少なくて話す機会が無くて言葉にするのが苦手とか」
「有り得ますねぇ〜。無愛想な鳴海さんにぴったりな過去です」




「・・・・・おい」




歩が部室に入ったときのコト。

浅月とひよのが何やら自分の話で盛り上がっていた。


ソレは決して歩にとって嬉しい話では無くて。




「ぁ、鳴海さん。居たんですか」
「よぉ、鳴海弟。今ちょうどお前の話をしていたトコロだ」
「・・くだらねぇ話してんじゃねぇよ」
「くだらなくなんて無いですよー。鳴海さんにとって死活問題なお話をしていたんですよ?」
「感謝しろよー」
「大きなお世話」




歩もとりあえず席に座る。

ひよのと浅月は気にせず話を続ける。




「つーかマジで2人って付き合ってたんだな。前のは鳴海弟のおふざけかと思ってたが・・」(励まして〜のお題10参照)
「おふざけだとしたら?」
「殺しますよ」
「何であんたが答えてんだよ」
「発情期の鳴海さんのお世話をおふざけなんかでやってられないからですよ」
「ほどほどにしろって言っただろー、鳴海弟〜?」
「・・別に俺は何もしてない」
「何言ってんですかキス魔さん?」
「・・・・・・・・・」





早くこの話題を何とか終わらせたい一心の歩であった。





























全部捨ててオレと来い。





























「・・で、俺の何が不足だって?」



微妙に話を逸らすような発言をした歩。

2人とも上手いコトに話しに乗った。




「言葉ですよ。こ・と・ば!」
「そんなに強調しなくても別に判る」
「じゃあ自分が足りないコトも判ってるって言うのか?」
「・・・・・さぁ?」
「いいですか鳴海さん。あなたは自己表現をする為の言葉が足りないのです!」
「・・だから何だよ」




はぁーっとため息を付く歩。

"バカの言うコトは全く理解出来ない"とでも言いたいカンジ。




「まぁ、ようは"手ばっか出してねぇでたまには甘い言葉でも言いやがれ"ってコトなんじゃねぇの?」
「浅月さん冴えてますね〜。鳴海さんも見習って下さい!」
「コイツから見習うコトなんて有るワケ無いだろ」
「て、てめぇ鳴海弟!!!」
「何ですか浅月先輩?」
「こんなときだけ後輩面してんじゃねぇ!!!」
「(無視)俺そんなに手出してないと思うんだが・・」
「・・・本気でそう思ってるんですか」
「本気」





今度はひよのがため息を付く番。

そして先程歩に無視された浅月が話す。





「はっ、お前も馬鹿だな鳴海弟」
「"も"はいらない。馬鹿はお前だけで十分だ」
「てめぇ・・・・!」
「浅月さんは鳴海さんのどの辺が馬鹿だと思うんです?」




ひよのが話を戻す。

どうもさっきから話が脱線してしまう気がする。




「だいたいなぁ、お前は図々しいんだよ鳴海弟!!」
「何が」
「言葉で言わずに"判ってんだろ?"ってカンジで当たり前のように手を出すコトがだよ!」
「だから手は別に出してないと言っているだろう」
「でも現実には出しまくりですケドねぇ〜」
「・・・・・・・」
「つまりだ、鳴海弟。嬢ちゃんは"手出してもいいケド言葉でも愛情表現しろ"って言いたいんだよ」
「うっ・・・"手出してもいい"はいりませんよ!」
「・・はぁ、判ったよ」
「ぇ・・・」





ぐいっと歩がひよのの腕を引っ張った。

つまり座った状態から立ち上がらせたと言うコト。





「・・・ってもなぁ・・」
「な、何なんですか鳴海さん。人を引っ張っといて何するつもりなんですか!?」
「煩いな。とりあえず何か言えばいいんだろ。・・ったく」
「なら早く言ってみて下さいよ」
「・・・・・・・・」





何故か黙る歩。ひよのの腕は決して放さなかったが。

その理由を近くにいた浅月は自分がいるせいなのかと思い、出て行こうとした。


が。





「待てよ浅月」
「・・・何だよ。人がいる前でイチャつくつもりなのかお前は」
「ちょっと耳貸せ」
「はぁ?」
「いいから貸せって言ってんだろ」





仕方なく浅月が歩に耳を貸す。

そして歩が近くにいるひよのに聞こえない程度の声で話す。





「・・甘い言葉って何言えばいいんだよ」
「はぁ!?お前それぐらい自分で考えろよ!」
「俺がそんなコトが出来る人間だと思うか?」
「お前なぁ・・・・じゃあ・・」         






・・・・・・・・・・コソコソと話す2人。ひよのは結局何を言っているのか聞き取れなかった。






「・・みたいなカンジでいいんじゃねぇの?(つーか何で俺がこんなコトを・・・)」
「・・・判った。もう行っていい」
「鳴海さんまだですか〜?」





腕をつかまれたまま放置された状態だったので不機嫌なひよの。

浅月が出て行ったのを確認してから歩は話し始めた。





「・・・もし、俺があんたのコト遊びだって言ったらどうする?」
「撲殺しますね」
「さらりと普通に答えるなよ」
「事実ですから」
「・・はぁ、でも、俺は遊びのつもりは無いから」
「・・・だから何なんですか」
「安心しろ、とは言えないが・・」
「え〜!言えないんですか〜?」




不満いっぱいのひよの。




「最後までちゃんと聞け。で、俺はあんたのコト遊びだと思っていないから
 あんたに何かあったら全部捨ててあんたのトコロに行くだろう。だから・・・







あんたも俺に何かあったら全部捨てて俺と来てほしい」









ひよのはじーっと歩の目を見た。

歩もひよのの目を見ていた。


とりあえず、彼女も視線を逸らしながら何か言葉を返す。




「・・まぁ、鳴海さんにしては上出来ですかね」
「文句があるなら浅月に言え」
「自分で考えるコトも出来ないようじゃまだまだですね〜」
「あぁそうかよ」
「・・・放して下さいよ」
「何を」
「腕」
「ちゃんと言ったんだからいいだろ」
「何がどういいのか言って欲しいですね。鳴海さんなんてまだまだですよ」
「・・さっきまで顔赤かったくせに」
「どうでもいいコトはちゃんと言葉に出来るんですね」
「おかげさまで」
「・・・鳴海さんなんてもう知りません!」




結局、彼女は彼の腕の中に入るコトに。

ほんの少しだけ、同意の気持ちが有ったらしいケド。


つづく。


あとがき。2004.12.09 甘い言葉って何でしょうね。ホントに。 つーかひよのもあんなんでいいのかと言いたい。 んー・・何かイマイチ。2ケタ突入なのにこんなのでゴメン!! *お手数ですがメニューからお戻り下さい。