思えばココから始まったんだ・・。何気ない会話。 「お下げさん今日、俺の家に来やん?」 すっかりひよのと仲良くなっていた火澄は昼休みに彼女を家に誘った。 何気なく。お友達として。 「今日ですか?・・いいですよ。ぜひ行かせてもらいます」 「歩には何も言わなくていいん?部活休むってコト」 「いいんです!あんな人にはたまには心配させてあげないとダメなんです!」 「・・まぁ、そうやな。じゃあ、放課後に俺の家来てな。もしかしたら遅くなるかもしれんケド」 「はい!では放課後にそのまま行かせてもらいますね」 本当に、何気なくだった。 続きは今夜。 「火澄さん帰っていらっしゃるんでしょうかねぇ」 ひよのは学校が終わった後、制服のままで火澄の家の扉の前に立っていた。 そして勿論、チャイムを押した。 ピーンポーン・・ ・・・・・・・・・・ 「やっぱり、まだ帰って来ていないようですね・・」 と、そのとき ガチャ 「!?」 扉が開いた。 でも出てきたのは火澄ではなく・・・ 「よぉ」 ジーパンに白のTシャツという私服姿の歩だった。 「な、鳴海さん!?!?何であなたがココにいるんですか!?」 「だってココは俺の家なんだからいても不思議じゃないだろ」 「そ、そうでは無くてですね!!」 「いいから上がれよ」 「は?・・・ちょ、ちょっと!!」 腕を引っ張られ中に無理やり入れられた。 そのとき勿論、扉の鍵は歩によって閉められた。 何のためなのかは判らないが碌なコトではないのは確か。 「・・で、鳴海さん」 「何だ?」 「・・・何で私はココにいるんですか」 「あんたが俺の家に自分から来たんだろ?俺は別に誘った覚えは無いし」 「そういう意味では無くて!」 何故かひよのはいつのまにか歩の部屋に運ばれていた。 そして机の上にはお茶まで出されていて。 「私は火澄さんに会うために今日は来たんですよ!」 「だから?」 「何で私があなたの部屋にいるんですか!!火澄さんはドコにいるんです!?」 「あいつはまだ当分帰ってないぞ」 「何でですか?」 「学校の係りの仕事で遅くなるから」 「・・・嘘じゃないですよね?ソレ」 「さぁ?」 「・・・・・・・・・・」 疑いの眼差しで歩を見るひよの。 彼は別に気にもとめずにお茶を飲んでいたが。 ・・・結局、諦めて違う質問をするコトにした。 「じゃあ、何であなたがココにいるんです?」 「ココは俺の家だから」 「だからそうではなくて!!」 「・・いちいちうるせぇな。どうでもいいだろ、黙らすぞ」 「!!!」 その言葉でいつも黙ってしまうひよの。 黙らないと彼に無理やり口付けされるから。 だからコレは脅迫。 (・・・ヒマですね。火澄さんまだでしょうか・・) ひよのは黙っていなければいけなかったのでぼーっとそんなコトを考えていた。 「・・ヒマそうだな」 「ぇ?まぁ、ヒマですね・・。誰かさんのせいでまともに話すコトも出来ませんしね」 「あんた喋ってんじゃん」 「あなたの言葉を無視したら無視したで大変そうだからですよ」 「そうか」 「そうです」 「・・・・・・・・」 「・・・・・・・・」 沈黙。 別にイヤでは無いけれどヒマなのは確か。 それを破ったのは歩だった。 「・・ヒマ潰しするか」 「?何するんです?」 どんっ 「・・・は?」 ひよのは座ったままの状態で壁に押さえ付けられていた。 歩に。無理やり。 「ちょ、ちょっと!本当に何するんですか!?」 「だからヒマ潰し」 「ヒマ潰しでこんなコトしないで下さい! それに今日はあなたとこんなコトをする為に来たんじゃないんですよ!?」 「まぁ、俺は"たまには心配させてあげないとダメなヤツ"らしいから?」 「!?あ、あのときいたんですか!?だからココに・・!」 どうやら歩は火澄とひよののあのときの会話を聞いていたらしい。 だからこんな状況にひよのは陥ってしまったようで。 ・・・不幸。 「・・怒ってるんですか?なら、謝りますからやめて下さい」 「怒ってなくてもやめない」 「何子供みたいなコト言ってるんですか!」 「・・・でも、多分俺は」 「?」 ひよのに目線を合わせて言った。 「・・怒ってるんだろうな」 正直、カナリ恐い。 けど、そんな素振りを見せたら彼の思うつぼなので色々と頑張るひよの。 「・・何でそう他人事みたいに言うんですか」 「こんなときは無いか?自分でも自分の感情が判らないとき。俺は今ソレだ」 「そうですか。でも放して下さいね」 「あんたもココで俺が放すと本気で思ってるんだったらカナリの馬鹿だな」 「思っていませんケド仕方ないじゃないですか!!だから・・!」 そのとき、ふっと歩の顔がひよのに近づいてきた気がしたので ひよのはその瞬間ギュっと目をつぶった。 (・・・・?) しかし、あの感覚はひよのに襲ってこなかった。 ちらっと目を開けてみると、 歩が自分を楽しそうに見ていただけだった。 「・・今俺に何されると思ったんだ?」 「〜〜〜っ!!!もうっ!!知りませんよ!!!放して下さい!!」 ひよのは恥ずかしさと怒りでジタバタと暴れる。 「判った。次はちゃんとしてやるから暴れるな」 「しなくていいですってば!!」 「確認したかったら目でも開けてるんだな」 「は!?ちょ、本当に・・」 そしてゆっくりと歩の顔が近づいてきた。 歩がまっすぐにひよのの目を見てくるので彼女は目をつぶるコトが出来なかった。 2人とも目を開いたままあと少し、何センチか・・・というトコロで。 ガチャ 玄関の方で音がした。 「お下げさん来とるん〜?ゴメンなー待たせて」 火澄だ。 そして現実に戻されたという気持ちになったひよのははっとして、 「ほ、ほら!!放して下さいよ!火澄さん帰ってきたんですからヒマ潰ししなくて済んだじゃないですか!」 「・・・続きは今夜な」 「へ・・・?」 そう言って歩は立ち上がって部屋を出て行ってしまった。 少し考えてやっと意味が判ったひよのは・・ 「はぁ!?何勝手に決めてるんですか!!鳴海さん!?」 ひよのもあとに続いて出て行った。 火澄に何とか家に帰らせてもらったというのは言うまでもないケド。 つづく。
あとがき。2004.12.22 つまんないくせにやたら長いし・・。あーぁ自己嫌悪。 何かもっと面白い話書きたいです。楽しい話!以上。 *お手数ですがメニューからお戻り下さい。