可愛い嘘 うそつきは泥棒の始まり、とかよく聞くよね?アレこそ嘘だと思う。 ちゃんと状況に合わせて"嘘"も使わなきゃ。 悪い嘘があれば良い嘘もあるのです。 「スコールの・・・嘘付きっ!!」 彼女は彼に向かって決して貰って嬉しくは無い言葉を叫んだ。 しかも公の場であるガーデンの廊下にての出来事。周囲の視線いっぱい。 そんな中、彼女はばっ!と何処かへ走って行ってしまった。 別に追い着こうと思えばすぐに出来た。でも、その原因である出来事に後ろめたさがあって出来なかった。 「まるで何かのドラマのワンシーンみたいだったわね」 キスティスが何処か楽しそうに言った。どうやら先ほどから近くにいたらしく。 出来事も一部始終見られてしまった様子。バツが悪い。 「苦労するわね」 「・・別に」 「あなたじゃないわよ。リ・ノ・ア」 あなたのコトなんて私が心配するワケないでしょ? キスティスはそう言い、続けた。 「こんな忙しくて、無愛想で、デートの1つすら約束通りに出来ない人を好きになって」 「(あんたが俺の仕事を増やすからだろ・・)」 「まぁ、障害があった方が愛も深まるってヤツかしら?」 わざとか。口に出そうになった瞬間にキスティスが今しなければならないコトを彼に教えた。 "教える"という点だけは教師らしい。先ほどの言葉を除いてしまえば。 「そして主人公はヒロインを追いかける。恋愛ドラマの鉄則じゃない?コレって」 ニコニコとした表情。彼の心情とは反しているソレ。 しばらく見た後、心の中で舌打ち。 そして、彼女の走り去った方向へと向かった。 ========================================================================================== 「(後悔、しちゃってるなぁ・・もう)」 彼女は自室へと篭っていた。ベットで寝転がって、枕に顔を埋めながら。 彼の顔を平手打ち、とまでは行かなかったが。 結局、自分だけが後悔しているような気がして何だか寂しい。 「(そりゃスコールが忙しいのは判るケド・・)」 何日も前から楽しみにしていた今日。 本当は彼とバラムで買い物とかしたかった。自分の友達の女の子達みたいに。 とても幸せそうに見えたから。けれど、 彼は今日も仕事。そのコトをもうすぐ出かけようってときに言われてしまった為、 あんな感情的になってしまい、叫んでしまった。 また後悔の渦が舞い降りてきた。もうウンザリだ。 「(・・スゴイワガママだよね。コレって)」 もう謝っちゃおうかな・・でも、許してくれるかな・・? そんなコトを思っていたら、ドアから声がした。 「リノア?」 ずっと、心の奥で待っていた声。ソレは間違いないのに。 何故か素直に先ほどまでの感情を表すコトが出来ない彼女。 なので不機嫌そうに返す結果に。 「・・何?スコール仕事あるんでしょ」 自分でも可愛くないと思った。自己嫌悪。 せめて彼の前だけでも可愛らしい自分でいたいといつも思っているハズなのに。 彼女の口から出る言葉は全くソレを無視してしまう。 続いてこんな言葉までも。 「別にスコールがいなくても大丈夫だもん。それに・・約束守ってくれないスコールなんて大嫌い」 奥の感情が言葉に出た。出てしまった。 正直、もう終わりだ・・と彼女は思っていた。 彼が、こんな言葉を残して去って行くのが判ったから。 「・・確かに、今日は悪かった。けれど・・あんたがそこまで言うとは思わなかった」 冷たい足音。やたら響くように感じてしまうのは気のせい? 彼が怒っているように、もう許してくれないと感じてしまうのは気のせい? 涙が出てくるような感情の波が心の奥底から襲ってくると感じてしまうのは気のせい? 例え、気のせいでもいいから・・ 「・・っ!!スコール待って!!!」 今自分がしたいコト、または出来るコトを彼女はした。 急いで扉のドアノブを掴み、廊下を走った。 彼の背中を目指して。後悔はもう、したくなかったから。 彼女が追いつき、半身だけ後ろを向いていた彼の服を両手で掴んだ。彼の顔はほんの少しだけ驚いた様子で。 「ごめんなさい・・大嫌いとか嘘なの。本当のコトを言っちゃえば全然大丈夫じゃないのっ・・」 「・・・・・・・・・・・・・・」 「で、でもね・・その、やっぱり寂しいから・・上手くソレが表せなかったって言うか何と言うかその・・」 彼は黙って彼女の話を聞いていた。その様子を彼女は彼がまだ怒っているのだと感じた。 悲しみの瞳を彼に向けた彼女はもう一度、小声で呟いた。 「・・本当に、ごめんなさい」 そして下を向いた彼女。まともに彼の顔なんて見れない。結果が怖いから。 ワガママな自分がとても愚かに思えたから。涙がこぼれそうだったから。 そんな彼女に、彼はそっと彼女の頬に手を添え、 「・・リノアが、謝る理由は何処にもない。俺が全部悪かったんだ。・・ごめん」 その言葉を耳にして驚いた彼女は。 顔を上にゆっくりと上げ、その表情を彼に向けた。 と、そんな二人の様子を影から見ていた、また別の2人がいた。 「結局最後は仲直りするんやもんな〜。だったら最初からケンカしやんかったらええのに」 「そうも行かないでしょ。色々あるだろうし」 「ぁ、今抱き合っとる!ビデオビデオっと・・」 「と言うかケンカした後の方が仲良いわよね。あの二人」 勝手なコトを好き勝手にほざかれている二人。 もし本人達がコレを知っていたらどんな反応をするのだろう? そんな二人のうち、彼は仕事へとやはり向かわなければならなかった。もとは原因だったソレ。 またはもしかしたらとある女教師がワザとそうさせたかもしれないソレ。 寂しさはやはり心の奥底に少しだけあったが。けれども彼女は笑顔で彼を見送ったらしい。 『可愛い嘘』おわり。
あとがき。2005.03.16 定番っ!スコリノケンカ話です。何処のスコリノサイトさんでも有り得そうな話ですなぁ〜。( ´ ▽` )ノ 彼らよりあの2人の方が何やらよく話していますが。(^_^;) ドラマのワンシーンみたいなアクションを起こす二人が大スキな照久でした☆微妙にハッチャケテますね。 *お手数ですがメニューからお戻り下さい。